2011年08月06日

わたしの平和宣言

新澤克憲(シンザワカツノリ) 東京都

8月になると白や赤いヘルメットを被り
旗を持った男女がどこからともなくやってきた

僕はそいつらを不機嫌な気分で眺めながら
耳鳴りのような蝉時雨の中、
平和公園の中を
通り抜け、自転車をこい だ

彼らがヒバクシャといいヒロシマと言った
そこに住む者はヒロシマとは言わない
広島は広島

祖父と祖父、叔父や父、いとこやぼくたちは、
8月6日の朝、比治山に出かけた
そこには小さな樫の木があって
汲んできた水を掛け
祖母は会ったことない叔母の名前を呼んで泣いた

8月6日は人の死んだ日
無数の父や母や子供たちや恋人や兵隊さんが死んだ
何千何万の人たちの命日なんだ
    
沢山の灯篭が立てられ
町中が線香の匂いに溢れ
スーパーカブで坊主が走りまわる
そんな一日なんだ

広島の友よ
僕らは、制御不能な火の恐ろしさを知っていたではないか
僕は今、悔しくてしかたがない

広島の友よ
思い出してくれないか
無数の父や母や子供たちを

きみたちは怒っていないのか

僕は今、東京にいて
3月のある日、僕の町にも、それが降り注いだ
誰にも知らされないまま
安全だと信じたまま、ぼくと妻と子供は卒園式に出かけ、
こどもたちは園庭を走り回った

もう、その火はいらないと僕は思う
広島の友よ
僕は怒っている
posted by no nukes at 00:09| 私の平和宣言